暇になったら何がやりたいかな、と考えた「暇つぶし100選」。
この時からぬか漬け作りをやりたいと思っていました。今回はそんなぬか漬け作りの軌跡をたどります。(軌跡w)
Contents
糠(ぬか)はどこで手に入る
アフリカは主食はなに?と思う人も多いかもしれませんが普通にお米も栽培しており、食べています。それならば糠(ぬか)も手に入るはず。
そう思い、同僚に訪ねてみました。
隊員A:「糠が欲しいんだけど糠が手に入るとこないかな?」
同僚:「??糠??、何それ」
隊員A:「(電子辞書の英英辞典で単語をみせて)これ?」
同僚:「ごめん、どこで手に入るのかわからない」
隊員A:「精米所とかって近くにないの?」
同僚:「カバレにはないよ、ちょっと遠くの○○(忘れた)にあると思うよ」
隊員A:「そっか、残念」
わざわざあるかどうかも分からない精米所探しの旅に出るのもちょっと無謀なため一時諦めました。
ネリカ(NERICA)米とは
ここで隊員雑学のような解説になりますがネリカ米について簡単に紹介します。
「アフリカのための新しい米(NEw RICe for Africa)」から来た名称です。収量や食味の良いアジア米と現地に適した環境に強いアフリカ米を掛け合わせて作られたお米です。水稲だけでなく陸稲もあります。
どこにいってもネリカ米として売られていることは見たことありません。ですのでブランド化するようなおいしさやそもそも生産量がそこまで大きくはないのかもしれません。隊員の中ではスパ(SUPER)米が日本米に近いということで人気があります。
ちなみに派遣直後の首都研修中に協力隊員やJICA専門家が派遣されている施設でネリカ米研修を受けました。そしてネリカ米検定3級いただきました。
日本の履歴書に書いたら話のネタにはなりそうですがネリカについて聞かれたら・・・ここだけで自慢しておきますw
困った時のネリカ隊員
ウガンダには多くのコミュニティ開発隊員が派遣されていますがその中でも大きな勢力を占めるのが通称ネリカ隊員と呼ばれるネリカ米普及活動に取り組む隊員です。日頃からお米と戯れている彼らなら糠も手に入れてくれるんじゃないかと思い聞いてみました。
隊員A:「ぬか漬け作りたくて糠が欲しいんだよね。糠、手に入らないかな?」
隊員T:「たぶん手に入ると思います」
隊員A:「明日持ってきてくれるかな」
隊員T:「いいとも」
なぜか笑っていいとも風な会話に脚色されてますがこうして無事首都カンパラで糠をもらうことが出来ました。
ぬか床の材料
ぬか漬けにはぬか床作りが必要ということでぬか床を作ります。ぬか床の材料は他のホームページなどを参考にしてもらえればいいと思います。
「ぬか床 作り方」の検索で出てきた白ごはん.comのぬか床の作り方と手入れに書かれている材料は以下の通りです。
ぬか床の材料(2~3人分がまかなえる分量)
生ぬか…1㎏
水…1L(ぬかと同量)
自然塩…130g(ぬかに対して約13%)
昆布…5㎝四方を3枚ほど
唐辛子…2本
かつお節…8gほど
煮干し…5匹ほど
干し椎茸…少々
実山椒…あれば少々
捨て漬け野菜…適量
昆布とかつお節は持っているものがあったので使えます。また唐辛子も市場などで買えます。煮干しや干し椎茸なども首都カンパラに行けば手に入るかもしれないですが使わない人もいるので今回は使わずに作りことにしました。
ぬか床作りに適した塩を求めて
材料のところにも書いていますが、ぬか床作りに適しているのは自然塩のようです。精製塩で作ってダメというわけではないようですが塩辛くなりすぎてしまったりするので自然塩がおすすめされています。
糠を手に入れることしか頭になかったため、他の材料については考えていませんでした。こんなことなら首都のスーパーで塩買ってくるんだった、なんて思ってても糠は待ってくれません。ということでカバレいち(と私が思っている)ロイヤルスーパーマーケットに繰り出しました。
ぬか床用の塩探しと懐かしき温泉のにおい
店内を探してみると精製塩以外に「Black Salt」なるものを発見しました。
何だろうこれ、と思って材料を確認してもBlack Saltとしか書かれていません。直訳すると黒い塩。日本では聞いたことなかったですがとりあえず店員さんが塩だ、と言ってくれたのでこれで作ることにしました。
ぬか床作りに必要な塩水を作ります。沸かしたお湯に塩を溶かしました。
あれ???草津温泉にいる気分になってきた・・・
塩水から温泉のにおいが漂ってきます。そう、あの腐った卵臭といわれる硫黄系のにおいです。そして色も温泉っぽいw
硫黄系の温泉好きだし(関係ない)このままぬか床作り開始だ。とぬかと混ぜました。混ぜてみると思ったほど色が付くわけでもないですし、数日経ったら硫黄のにおいもしなくなりました。
「Black Salt」とは
さて今回使ったBlack Saltは何者なんだろうと思い検索してみました。
Wikipediaによれば
インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタンなどのヒマラヤ地方一帯でとれる岩塩の一種だそうです。Fe3S4という聞いたこともないようなGreigiteという硫化鉄系の物質が含まれていることから温泉のようなにおいになったようです。
スーパーはインド系の人が経営しているためこうした物が置いてあったんですね。
料理にもいいけど入浴剤にもつかえるんじゃないかなんて思いました。
ぬか床と捨て漬け野菜
ぬか床作り開始から1週間から10日間ほどは「捨て漬け」といういらない野菜を入れて発酵を促す期間になります。3日ほどで捨て漬け用野菜を取り換えます。
捨て漬け用の野菜はしょっぱくて食べられたものじゃない、なんて話もあるみたいですがかじってみるとそこまでしょっぱくなかったので炊き込みご飯の材料としてそのまま使いました。しょっぱくないということは塩分足りてないのかなと思い若干ぬか床に塩も加えました。
ぬか漬け用容器は何がいい
とりあえず日本から持ってきていたジップ付きフリーザーバック(プラスチックバック)で始めました。混ぜてるうちにジップのところにぬかが入りこんで密閉具合が微妙になったり、混ぜる時に注意しないと穴が空いてしまいます。結局穴が空いたのでプラスチック容器を買ってきました。
混ぜやすいのでプラスチックバックでなく初めから容器でやればよかったです。日本であればホーロー容器、タッパーなどいろいろ選択肢があると思います。
素手で混ぜなくても掻き回してくれるようなこんなのもあるんですね。
Black Saltぬか漬けの出来上がり
何を漬けようかなと検索してたらアボカド漬けは美味しい、とかかれていたためアボカドも漬けてみました。アボカドのまったりとしたクリーミーな味に発酵した酸味が加わり独特のうまさを感じます。お酒のつまみに出来る一品です。熟したアボカドだと漬けるのが難しいというのもあるのかもしれませんがアボカドの漬物は是非いろんな人に試してもらいたいです。
心配だったBlack Saltでのぬか床も特に問題なく美味しく漬けることができました。これからも毎日混ぜ混ぜしたいと思います。