先月から今月にかけてセカンダリースクールでは日本でいうところのセンター試験に当たるような卒業試験が行われています。先日6年生(最高学年)のICT(コンピュータ)科目実技試験に立ち合い、いつものことですが文化の違いに驚きました。
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ウガンダのセンター試験UACEとは?
セカンダリースクールは1~4年生のO(Ordinary)レベルと5,6年生のA(Advanced)レベルに分かれています。4年生も先月卒業試験をしていましたが一応ここでは高等学校卒業程度であるAレベルの卒業試験について記載します。
センター試験とは言いましたが厳密には卒業試験です。UACEとはUganda Advanced Certificate of Educationの略です。日本語にすると上級教育課程の修了証(卒業資格)といったところでしょうか。この卒業試験の結果で入学できる大学等も決まってくるため日本でいうところのセンター試験というように感じます。
驚きの試験日程
まず第一に驚くのが試験日程です。日本のセンター試験であれば主要教科と必要な選択科目で2日間という日程ですが、ここウガンダでは約一ヶ月の間毎日2,3科目の試験をしています。コンピュータも理論と実技の2つの科目に分かれて2つのテストが実施されていることからも分かるように多くの科目が試験に含まれます。
驚きの試験時間
他の試験は外からちょっとのぞくくらいしかしてなかったのですがコンピュータの実技試験はがっつり携わりました。そこで驚愕の試験時間を目の当たりにしましたw。
試験時間は2時間。始まりは9時5分です。この中途半端な感じがいかにもウガンダです。試験の準備が出来た時が開始時間ということです。一応黒板にも11時5分終了と書かれているのですが実際終わったのは終了予定時間の1時間後くらいです。
日本人ならえっ、ですよね。私も、えっ、でした。
(残念ながら他の科目や理論科目について確認はしてませんが)たぶんペーパー試験のみであればここまでひどくはないと思います。
試験時間が守れない3つの原因
原因その1.教員に時間を守ることが重要という意識がない
これはもうウガンダ、というか東アフリカに蔓延している感覚だと思います。自分が生活してきた文化が体にしみこんでいるため問題だと感じていないのではないでしょうか。
原因その2.テスト内容に「印刷する」、「CD-Rに保存する」とあるが機器の台数が足りない
プリンターは1台しかなく、また我が校のコンピュータはシンクライアントサーバーシステムで運用されているため1台に対して10台の生徒が利用しており各人が自由にプリント、CDへの書き込みが出来る状況ではありません。それでなくても普段プリンタもCD-Rも利用していないので教員がやらないと提出用データが作成できません。私は生徒を全員教室から出さないのかと聞いてみましたが保存するファイルを生徒に聞きながら作業するからこれでいいんだといっていました。そこは指示通りの場所に保存できなかったら0点というのでいいと思うのは日本人的感覚なんでしょうか。
原因その3.停電が起こる
これはもうどうしようもないかもしれません。今回は2時間以上経ってから停電が起きたためきちんと時間通りに終わらせている人にとっては何も問題なかったと思います。また停電しても発電機で再稼働するのでこれはそこまで大きな問題ではないかもしれません。
試験時間が守られないことの何がいけないのか
2時間で作業を終了させた生徒もいれば、プリント、CD-R保存待ちの間ずっと継続して試験問題に取り組んでいた生徒も何人もいます。同一の試験環境を用意できないのにセンター試験のようなことをやっており、生徒間、学校間で不公平になっているというのが問題ですが、学校間の問題解決は難しいにしても同じ試験会場での不公平な扱いは改善すべきでしょう。
試験時間順守への3つの改善策
来年も多分同じ状況が発生すると容易に予想できます。任期短縮したりすることがなければ来年もここにいると思うので来年は開始前に教員の意識を改革したいと思います。
改善策その1:試験前に事前検討を行う
昨年(今回)の状況を今一度思いだしてもらい、試験の進め方について議論したいと思います。具体的には時間通りにテストを終了し、生徒を会場から出すこと、保存フォルダを指定してそこのフォルダを成果物として提出するということについて議論したいと思います。それでも前回と同じやり方でいいんだと言われたらしかたありませんが。。。
改善策その2:プリンターやコンピュータの台数を増やす
費用の問題もあり難しいかもしれませんがCD-Rの焼けるパソコンは何台かあるため試験日だけ借りるなどして対策することは可能だと思います。
改善策その3:普段から時間を守ることを生徒に意識させる
私がメインで持っている授業はいつも時間通りに開始しています。が、それでも遅刻する生徒は後を絶ちません。私はコンピュータルームでなく図書室に行って勉強しろ、などと言っていますが実際図書室に行くのを見届けているわけでもないので生徒としては自由時間だラッキー、みたいな感覚になっている可能性もあります。なので時間を守らなかった時にはもっと罰となるようなことを考えないといけないかもしれません。
なんだか報告書チックな内容になってしまいましたがこれがウガンダのコンピュータ実技試験の現状です。再来週からは長い長い年度末休暇の始まりです。活動報告はまた来年w